ヲタク女子3人、梅田をめぐる

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大阪梅田といえば、にぎやかで、きらびやかなアパレルなどの専門店や、おしゃれなレストランがあるというイメージがあると思う。でも実は、梅田にはヲタクが喜ぶスポットがたくさんある。 これは独断と偏見で選んだヲタスポットをメディアコース出版の学生2名がコース外の友人1人を交えてまわった体験記として紹介する。
 
 
 

2020年11月4日午前11時、JR大阪駅に集まった私たち

11月4日、なんの偶然かヲタクたちには「いい推しの日」と呼ばれるその日の午前11時ごろ、大阪駅から私たちの梅田めぐりははじまった。
前日くらいに組んだ推しだらけの痛バッグを持ち歩くグッズヲタクこと、私『S』と、取材用のカメラを持ちながら鞄にワンポイントとして推しのキーホルダーをつけたスタンディングオベーションヲタクこと、同コースの『K』。お互い、属性は違うものの、アニメ・ゲームの話で盛り上がり、意気投合した仲だ。
「どこからいこうか?」
「時間はあるし、とりあえず近いところから行ってみよう」
そんな会話を挟みつつ、私たちは都会のジャングルと呼ばれる大阪駅周辺にヲタスポットを求めて足を踏み出した。

ディズニーストア 「本日再入荷しました」

まず私たちはHEP FIVEを訪れた。集英社から出版されている人気週刊雑誌『週刊少年ジャンプ』の人気作品のグッズが販売されているホビーショップだ。ほかのホビーショップとは違い、ジャンプショップには原作漫画のイラストを用いたグッズが多く販売されており、そこでしか入手できない限定品も販売されている。しかし、取材した当時、とある人気漫画のフェアが開催されており、それに伴い入場制限がかかっており、中に入ることができなかった。
 
ジャンプショップを後にした私たちは、次に同施設4階のディズニーストアに足を運んだ。世界中で高い知名度と人気を誇るディズニーのキャラクターのグッズや日常生活で使える雑貨がたくさん販売されており、店舗の内装もディズニーらしい明るい世界観で見ている人を飽きさせない。店舗の入口付近には、Sが最近ハマっているディズニー作品のキャラクターがモチーフになった人気スマホゲームのキャラクターのグッズコーナーがあった。Sが手に取ったのはステッカー。だが、そのグッズには値段が書いてなかった。悩むSだったが、店員さんの「本日再入荷の人気商品です」という言葉と推しに負け、レジまで商品を持って値段を聞きに行った。「すみません。これの値段っていくらですか?」「税抜150円です」。陥落した。早速本日一回目の出費をキメたSだった。 梅田にはディズニーストアが2軒あり、ルクアイーレ5階にも店舗を構えている。HEP FIVEの店舗とはまた雰囲気や扱っている品物が違っているので梅田に来た際には両方のディズニーストアを訪れ、店舗ごとに違う雰囲気のディズニーを堪能してほしい。

アニメイト――推しを求めて四千円

次に一行が向かった先は、梅田センタービルB1階にあるアニメイト梅田店。アニメイトとは多くのアニメ・漫画・ゲームの関連グッズや書籍、CD・DVDが販売されている、ヲタクご用達のショップで、全国各地にも多くの店舗が存在し、ヲタクの推し活の拠点となっている。
Sの今回のお目当てはそこの入り口付近にあった。「あっ!引きたかったガチャ置いてる!」見つけるや否や財布を用意しながら両替機に向かうS。
財布から千円札を2枚を取り出し、お札を小銭に変えてガチャに投入していく。一回で出てくれるほど甘い相手ではないのを知っていたからあらかじめ多めに持ってきた現金をためらいなく出していく。だが、2千円ほど使ったものの一番のお目当てのキャラが出ない。あまりにも悔しすぎて引きたかったガチャが回数制限がなかったのをいいことにまたお札を財布から引き抜いては両替機に突っ込み、ガチャを回しまくってはお目当てとは別のキャラが被りまくる推しに恵まれない女、S。多くて3つ被ったキャラが3人もいた。財布のお札が小銭にすべて変わり、同じガチャに4千円以上も費やした時、今まで出てきたカプセルとは違う色が出てきた。中身を見るなり奇声を上げるS。そのカプセルにはSが求めてやまなかったキャラがいたのだ。
予定では1~2千円ほどで止めて置く予定だったがまさかの4千円越え。引いた回数は12回プラスほかにノリで別のガチャを2回回し合計14回にも達した。当然財布の中のお札と小銭は全額溶けてしまった…。後にSは、「推しが出なさ過ぎてついやってしまった。後悔はしていない。多分」などと供述している。
ガチャの話だけでいっぱいになってしまったが、アニメイト店舗内部には多くの作品の関連グッズや書籍等が所狭しと並んでいる。
売り場の写真についてはアニメイト側から快諾をもらった。
「お客様の中にはSNSに売り場の写真を上げている方もおられますので、撮影禁止と書いてあるところ以外でしたらご自由に撮影されてもだいじょうぶです」と回答してくれただけでなく、わざわざ確認していただきありがとうございます、と丁寧にお礼まで言ってくださった。後にKと「いい店員さんだったね」といった趣旨の話をした。あの店員さんの方角には足を向けて寝られない。
店員さんのご厚意に甘えさせていただき、店内の写真を撮影させていただいた。そして、Kも好きな作品のグッズを購入した。
「ブラインド(ランダム)じゃないのがめちゃくちゃありがたい! 最高!」とご満悦の様子だ。

スクエニカフェ――思い出に浸りながら

アニメイトから一度大阪駅方向に引き返し、そこでNと合流した。
Nを新たにメンバーに加え、大阪駅からすぐ側のヨドバシカメラに併設されている商業施設『LINKS UMEDA』に向かった。お目当てはLINKS一階の『SQUARE―ENIX CAFE osaka』、通称スクエニカフェだ。FFやDQなどでおなじみのスクウェア・エニックス社が手掛けたゲーム作品がコンセプトのコラボカフェを実施したり、同社ゲームのグッズが販売されているスクエニゲームのファン必見のスポットだ。
本来なら8月に友達と一緒にここに来る予定だったがコロナの影響で行けなくなってしまった。
今回はカフェではなく物販利用で入場した。入り口で検温・消毒を受けて店内に入り、物販を見て回った。思い出のゲームのコーナーで立ち止まって、そのゲームの思い出に花を咲かせながらグッズを眺めた。 一通り思い出のゲームに浸った後、私たちはスクエニカフェを後にした。

アニメイト(2回目)――トレーディングの奇跡

Nを連れて二度目のアニメイトに向かう。
アニメイトでNの探していたコミックを探しながら、いろいろな話をした。そこでSは二度目の散財をする。SとNが共通してハマっているゲームのグッズが目に入ったのだ。一回目ではスルーしたが、Nの推しもいるし、自分が狙っている子もいるからという理由で札をレジまでもっていく。元々バラで4個買うつもりがなんとその場の勢いで5個買うという。
その後店舗前で開封式をしたところ、私のお目当ては出なかったが、購入した5個中、なんとNの推しが4個出るという事態が起こった。しかもNの推しグループがまるごと。それらはNの手に渡ることとなった。
のちに彼女はそのグッズたちを部屋に飾ってくれたという。

駿河屋で宝探し

アニメイトからさらに北に進み、私たちは梅田ロフトにたどり着いた。
なぜ一行がロフトに向かったか?7階に中古ホビー店で有名な駿河屋があるからだ。
グッズを集めるヲタクにとっては、中古ホビー店はなくてはならない存在である。トレーディンググッズで好きなキャラが出なかった時や集めていたグッズだが不必要になった等、グッズを手放したくなった人がグッズを売る。そのグッズのなかにはかなり貴重なものがあることもある。所謂宝探しをする場所なのだ。グッズヲタクにとって中古ホビー店はなくてはならない存在なのだ。
駿河屋を入ってすぐに、今人気のアニメ「鬼滅の刃」のグッズが私たちを迎えてくれる。駿河屋の店内には、それぞれ作品のタイトルごとにコーナーが区切られている。中には、キャラごとで区切られているタイトルのコーナーもある。店内にグッズがたくさん置かれているため、最初に来たときは迷うかもしれないが、自分の好きなアニメ・ゲーム・漫画のグッズを楽に探すことができる。Kは売り場を眺めながら自分の推しキャラのグッズのお値段に驚きつつ、「ブラインドのものが、交換とかを探さずに目当てのグッズが手に入るのはありがたいな」と漏らした。他、110~330円のグッズがタイトルごとに籠の中に入ったコーナーもあり、よくお世話になっている。そこでSは友達が探しているグッズも探しながら、自分がほしいものも探した。籠を漁ること三十分。Sが探していたグッズを少ないながらも見つけることができた。そこでの支払金額は4千5百円以上。普段のSにしては抑え目(らしい)ではあるがなかなかのお値段だ。ちなみにSの購入品は友達のほしいもののほうが数が多かったといっているが…?
 
 
(フリーペーパー『TanTan vol.9』では、WEBに掲載しきれなかった写真やコラムのほかに、Sが執筆したもう一つの記事『百均ヲタ活アイテム特集-お手軽に推し事しませんか?-』もあります。卒業制作展やオープンキャンパスなどでも配布しているので、ぜひ紙のTanTanも読んでみてください!)

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