ド文系、本気を出せば東日本
1044市町村覚えられる説。

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 「大学生になったら遠いところに旅行に行きたい!」

 そんな願いも空しく、新型コロナウイルスの影響で遠出はおろか近所のスーパーに行くのにも気を張る毎日。「おすすめ観光スポット10選」のような紹介ページを見漁っているうちに1年半が過ぎ、もうすぐ卒業の季節となりました。「結局どこにも行けないまま社会人になるのか…」と今日も今日とて妄想旅行のために観光スポットの特集ページをいくつか開きます。同じ名前がいくつも並んでいるのを見て、ふと、思ったのです。「そういえば、日本に住んではいるけど、ほかの都道府県、特に東のことは詳しく知らないな」生まれも育ちも西の私にとって、東日本はまだ未知の世界。観光地のような有名な場所は調べれば画像などで見ることができますが、そこに載らないような場所も宝島のような存在なのです。

 そこで私は思いつきました。「市町村を全部覚えたら旅行先の隣が何市でそこに何があるのかが分かるようになるのでは?それってかっこよくないか!?」そう、外に出られないのであれば家の中で予習をして、いざ旅行に行こう!となった時に備えれば良いのです。観光スポット特集にも載らないような面白い場所を見つけることができるうえにちょっと賢くもなれちゃう一石二鳥ぶり。これはやらない手はない!

 さぁ、まだ見ぬ秘境を私と一緒に探しにいきましょう!

〈市町村チャレンジ ルール〉
①10月1日から11月30日の2ヵ月で東日本の1044市町村を覚える
②北海道、東北、関東、中部の4グループに分け、テストを実施
③目標の4分の3(783市町村)以上を覚えることができたらチャレンジ成功!

北海道

いきなり最難関!?北海道

 日本地図の中でも圧倒的な存在感を誇る北海道。約83㎢という広大な面積に相応しく、市町村の数も185個と日本最多。さらに、北海道の市町村名の8割がアイヌ語に由来しているため、読み方や漢字が難しいものが多く、道民でも詳しくないと読めないものも多いのだとか。挑戦前から最難関はここだろうと思い、さすがに闇雲に覚えていては埒が明かないと踏んだ私は北海道を道北、道東、道央、道南に分けることにしました。こうすることで185という数字に対しての恐怖心が細分化され、とっつきやすくなりました。

 まず道北。上富良野町、中富良野町、富良野市、南富良野町の富良野ラッシュに救われながら、気になったのは音威子府村と和寒町と占冠村。さて、これを見て正しく読めましたか?

 音威子府村(おといねっぷむら)の意味はアイヌ語で濁りたる泥川。音威子府川が天塩川に合流地点が泥で濁っていたことから名づけられました。この情報で2つ左隣の天塩町も覚えることができます。次に気になったのは和寒町(わっさむちょう)。道北なうえに寒そうな名前だなと思い、調べると冬の平均気温は-8℃とさすがの寒さ。しかし、夏の平均気温は20℃と比較的過ごしやすい気候なようです。最後は占冠村(しむかっぷむら)。北海道のほぼ真ん中に位置するこの村は札幌から帯広を結ぶ、JR石勝線の中間点。道東はもちろん、旭川や富良野にも移動がしやすいのが特徴です。

東北

地名に並ぶ数字たちの謎…東北

 青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県で構成された東北地方。6県で227個の市町村があります。

 覚える中で気になったのは2つ。1つ目は岩手県北部から青森県南部にかけて、一戸町から九戸村まで戸の付く地名が並んでいること。調べてみると、語源は平安時代後期にまで遡ります。当時、この地域は名馬の産地として知られており、エサである馬糖の納入義務を負う郡「糠部郡」(ぬかのぶぐん)と呼ばれていました。そこに馬を年貢として納めるため場所「馬戸」(うまへ)が設置され、そこに一戸から九戸までの行政区域が存在していたとされています。戸の意味については他にも、朝廷から派遣された守備兵の駐留地「柵戸」(きへ)という説や、地名の「閉伊」(へい)だという説、牧場の木戸のあった場所など様々な説があり、未だに詳しいことは分かっていません。

 2つ目は青森県北部にある外ヶ浜町と中泊町、五所川原市がそれぞれ2つに分かれていること。これは平成の大合併により生まれたものだそうで、このような地域は飛び地と呼ばれています。外ヶ浜町には津軽地方で最古の温泉である平舘不老不死温泉、中泊町には日本海に突き出た海抜229mの断崖絶壁にある尾崎神社、五所川原市にはしじみが特産物で有名な十三湖などそれぞれに観光スポットがあります。

関東

読み方は同じでも異なる魅力、関東

 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県で構成された関東地方。7県で316個の市町村があります。

 まず、茨城県から覚えようと見ていくと、常陸太田市、常陸大宮市、日立市と同じ「ひたち」にも「常陸」と「日立」があることに気付きました。何故表記が2つもあるのでしょうか。飛鳥時代、現在の茨城県は「常陸国」と呼ばれていました。江戸時代になると現在の日立市一帯が水戸藩の領土に入ります。その藩主である徳川光圀が今も日立市にある神峰神社に参拝した際、朝日の登る様子を「朝日の立ち上る様は領内随一」と述べたそうです。以来、一帯は「常陸」に加えて「日立」とも表記するようになり、1889年、市制・町村制が敷かれた際、宮田村と滑川村が合併する時に付けられたのが「日立市」だったとされています。

 そんな「ひたち」には友達とでも家族とでも楽しめる観光スポットがたくさん!常陸太田市には茨城百景の1つである竜神峡にかかる竜神大吊橋があります。高さ約100mから見下ろす竜神ダムの迫力はもちろんのこと、2014年から始まったバンジージャンプは常設の中で日本最大級!日立市には自然体験型施設である奥日立きららの里があります。日本一の長さを誇るワクワクスライダーは最高時速30km/hと驚きの速さ。最高のスリルを体験しにいこう!

中部

日本一の富士山、どこで見る?中部

 新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、山梨県、静岡県、愛知県、岐阜県で構成された中部地方。9県で316個の市町村があります。富山が15個、石川が19個、福井が17個と1県の市町村数は比較的少ないですが、長野県は77個と185個の北海道に次ぐ市町村の数を持っています。

 中部といえば日本の象徴ともいえる富士山があります。そのため、地名に「富士」と付くものが多くありました。富士山の静岡県側に富士宮市、富士市。山梨県側に富士吉田市、富士河口湖町があります。驚いたのは長野県にも富士見町があること。その名の通り、町内の色んなところから富士山を見ることができる町です。

 この町には富士山を美しく見ることができる「関東の富士見百景」に選出されたスポットが3つあります。特に創造の森 彫刻公園・展望台では富士山のほか、南アルプス、北アルプスなども望むことができ、日本の高い山ベスト3である北岳、奥穂高岳も一望できる貴重なスポットでもあります。富士見町には楽しむための工夫がたくさんあります。特に年間9ツアー開催される「イベントツアー」は町を歩きながら蕎麦打ち体験ができたり、入笠山でスノーシューにチャレンジできたりと季節ならではの催しを楽しむことができます。


 市町村チャレンジは1044個中964個で成功!北海道、東北は比較的順調に覚えられたのですが、関東、中部は数が多いうえに似たような雰囲気の名前が多いと感じて苦戦しました。そんな時はむやみやたらにやるのではなく、周りの市町村3つ~5つをセットにして語呂合わせを考えたり、語頭の母音が一緒のものをまとめるなど工夫して覚えました。なんとかチャレンジ成功して良かったです。

 竜神様の伝説が残る神恵内村や日本武尊が妻を思って嘆いた嬬恋村など、ここで紹介しきれなかった市町村の多くにその地ならではの名前が付いており、「自分が知らないだけで、この市町村1つひとつにそれぞれの生活があるんだな」と思うと勉強にも力が入りました。
次は関西も覚えたいと思います!

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