文字の世界で生きていこうと思う
西林先生が教える出版の世界とは

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雑誌論、文章表現など、出版の世界を大阪芸術大学短期大学部で教える西林先生。長年培ってきた出版社での書籍の知識を惜しむことなく生徒へ伝えるその後ろ姿には現場ならではの経験が見える。現代では斜陽も斜陽と言われている出版の世界にはどんな魅力が隠されているのか。

文を書かせること。そこから授業は始まる

西林先生が担当する授業の一つに、「文章表現」という授業がある。授業の後半に必ず文章を書く時間がある。200字程度の短文だが、奥が深い。文章を書ける人間はどこに行っても活躍する、と先生は語る。日本語の美しさを教え、現代で間違った使われ方をしている身近な例を挙げる。また、はなすことと書くことは別であり、正しい言葉の使い方を先生自身の経験から感じたことともに生徒に話すそうだ。生徒が文学賞をとるような人物に成長してくれたらと。そんな思いで授業に望んでいる。

何故、今の時代に出版業界への教鞭をとるのか

インターネットメディアが普及したこの時代、出版という紙媒体を扱うこの業界は斜陽も斜陽と言われている。西林先生自身も現役の頃と、世間からの紙の使われ方が変わってきていると語る。では、なぜこの時代に若者に出版業界について授業をしようと思うのか。 それは自分がこの業界に入る前に文字に感じた感動は変わらないと思っているからだ。東京オリンピックで話題になったピクトグラムはその一つのイラストに多くの情報が詰まっていることが魅力だ。同じように文字、美しい日本語のなかにはさまざまな意味があり、編集によってたくさんの色を付けることができる。自身が若いとき、一生文字の世界に生きていこう、そう思った感動はずっと変わらない。だからこそ、今自分が培ってきた知識を私たちに惜しげもなく教えてくれる。

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