まちなか別世界
自衛隊伊丹駐屯地

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伊丹市内の道路でよく見かけるのが、モスグリーンの自衛隊車両。「総監部前」というバス停もある。伊丹にとって自衛隊は切っても切れないつながりを持つ存在だ。ところが、その中身はほとんど知られていないのではないか。どんな仕事をしていて、どんな人がいて、施設の中はどうなっているのか。DISCOVER JIMOTO!とばかり、自衛隊伊丹駐屯地を訪れた。

学校からバスで10分あまり。「大阪芸術大学短期大学部前」バス停から伊丹市営バス2系統に乗り、「瑞ケ丘公園前」で下車。そこから約10分歩いて、伊丹駐屯地に到着した。
本日の取材はメディアコース放送との合同作業だ。正門前で放送のクルーと合流し、出迎えてくれた伊丹駐屯地の広報幹部、中村清勝さんに案内されていざ!駐屯地内に足を踏み入れた。

戦車と榴弾砲の違いとは

入ってすぐ、展示されてある戦車と自走りゅう弾砲を見学。どちらも砲身を備え、キャタピラーで自走する兵器だが、違いは?「対峙した敵の戦車を駆逐するのが戦車の目的なので、砲弾が直線的に飛ぶのが戦車。りゅう弾砲は山を超えて、放物線を描いて砲弾が飛びます」。りゅう弾砲の射程は3万メートルにも達し、伊丹から大阪城あたりまで飛ぶというから想像を超えている。
「照準はどうやって付けるのですか」「観測部隊が敵の位置を把握し、その情報によって方向や角度を調整し、撃つんです」と中村さん。「ということは、観測にあたっている部隊が敵に見つかったらまずいですね」「当然そういうこともあります。そのときは、次の観測部隊を出します」。平然とした言葉にちょっと驚いた。
戦車はそのまま市街地を走ると道路を傷めてしまうので、市街地を移動する際にはトレーラーに乗せられるという。

ラッパ手の訓練を調べてみた

にぎやかなラッパの音が聞こえてきた。ラッパ手の訓練だ。
知っていますか?自衛隊のラッパにはボタンがない。つまり口の形と息の調子だけで音階を付けるのだ。だから、複雑な音階は出すことができない。その代わり、戦場でラッパが壊れて音が出せないというような危険性もほぼない。
「だいたいソドミソくらいしか出ません」とラッパ手の隊員。ラッパは自衛隊の生活とは切り離せない。点呼、食事、VIPのお見送りなど、ことあるごとにラッパが吹かれる。国旗掲揚の際は、君が代のラッパバージョン(音階が限られているので)。戦闘のときは、突撃ラッパ、進軍ラッパ、だ。

女性自衛隊員にお話を聞いてみました

最後に、「写真班」の部屋にお邪魔した。記録用の映像撮影を担当する部署だ。部隊の判断のための重要な資料として、記録は重要な任務だが、最近では「情報発信」というもうひとつの役目も担っている。SNSで、自衛隊の日常を国民に向かって発信しているのだ。
写真班の部屋には、今回の取材対応のために、4人の女性自衛官が集まってくれた。  年齢はみんな20歳そこそこ。取材側とほぼ同年代だ。特別な人たちなのだろうか?おそるおそる聞いてみる。「懸垂は何回くらいできますか?」
「えっ、懸垂ですか?1回くらいかな」「わたしはできません」。笑いとともに、そんな答えが帰ってきた。駐屯地内にはボルダリング(壁のぼり)のコーナーもあったが、「やったことありません」。楽しみは休暇、外出。「伊丹の街にも繰り出しますよ。門限は守りますけど」。普通の女子にもどった笑顔が印象的だった。

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