学科きっての才人!メディアコースの今村荘三教授に聞きました!

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「大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科・広告コースの今村教授にインタビュー!」をしようと思ったのは、不思議な理由からでした。今村教授はメディアコース広告の中心を担当されている先生で、私も1年生の頃から、常に授業でお会いし、教えていただいています。

しかし最近、私は、授業で抱いた疑問に答えてもらえるということが、決して当たり前ではないことに気が付きました。すると「今まで今村教授にどのように接していれば、私は大きく成長できたのか?」と、深く深く考えてしまうことになりました。

そこで、「インタビュー!」を通して、今村教授がどんな人なのか、もっともっと知りたいと思いました。結果は…期待以上。一言一言に含蓄があり、面白すぎる今村教授でした。

今村教授が広告に興味を持ったきっかけ。影響を受けたもの。

矢野:今は、テレビよりもスマホで広告を見る人が多い…はず…ですが、先生が若いころの広告事情はどんなだったんですか。

今村教授:若いころ、CMなどを見ていて、そういう広告はTV局が作っているものだと思っていました。実際に作成しているのが広告代理店だと知ったのは、就職活動の時です。就活の面接をたまたまいっしょに受けた女子学生が、「CMは広告代理店がつくっているのよ!」と教えてくれました。私は「へ~ホント?」と軽く調べて、そのまま広告代理店の面接を受けました。これが「私の生きがい!」となりました。

矢野:個人的に私が一番知りたかったのは、今村教授の若い頃なんです。お笑いが大好きだとか。

今村教授:小さいころから道頓堀の角座、千日前にあった千日劇場、なんば花月や、うめだ花月を見ていました。インターネットが出始める前のパソコン通信の時代、「お笑いフォーラム」というのがあって、そこにお笑いについて投稿をしたりしてました。そのうちに同じお笑い好きの仲間ができて、お笑いにのめり込んでいったんです。

ある時、お笑いについての投稿を大阪で発行されていた雑誌『上方芸能』編集部の人に見せたら、演芸欄に演芸評を書いてほしいと頼まれて、それから20年くらい演芸評を書き続けました。そのうち、朝日新聞や読売新聞からも演芸評を依頼されるようになりました。当時は、まだ心斎橋筋2丁目劇場があり、そこでのお笑い評論をメインに扱いました。そのころは千原兄弟とジャリズムが中心的な存在で、中川家・海原やすよともこ・メッセンジャーが同格でいて、その少し下にブラックマヨネーズ、チュートリアルがいた。新人としてNONSTYLE・キングコング・南海キャンディーズがいました。私は、千原兄弟の尖った笑い、ジャリズムのお遊戯のようなふざけた笑い、ブラマヨ吉田の自虐的な笑い、チュートリアルのスタイリッシュな笑いなど、どれも大好きでした。このへんの詳細は私の本『漫才通』『お笑い通』を読んでほしい。今はドーナツ・ピーナツ、タイムキーパー、女性コンビの爛々・エルフを応援してます。

矢野:なんて言いますか、深すぎ広すぎ面白すぎの人生展開です!

今村教授の座右の銘、大切にしている言葉。今村教授が伝えたいこと・・・。

矢野:今村先生!座右の銘などあるのでしょうか?

今村教授:最近、お亡くなりになられた樹木希林(2018年9月15日、75歳没)さん。希林さんの有名なCM「ピップエレキバン」は博報堂大阪で作っていたので、希林さんがユニークな人だという噂は、そのスタッフからよく聞いていたんです。希林さんがよく言っていたのが、「決して他人と比べるな」ということ。自分をしっかり持てばまわりを気にする必要はない。

2つ目は「欲張らないこと」。欲しがらない。自分を大事にして、自分を貫きなさいと!

そして、もうひとつは、ドラッカーの名言。「自分の強みを生かして、弱みを気にするな。」自分の良さを大切にして、さらに向上させること。

矢野:「決して他人と比べるな」「欲張らないこと」「自分の強みを生かして、弱みを気にするな。」…頑張りたいと思います。いや…思いました。そうなれるようにがんばります、がんばります!でも「がんばる!」のは欲なのでしょうか…。私は内にこもりすぎるのかもしれません。どうすればいいですか?

今村教授:ファンを作ること。お客様を大切にすること。そのためには、ターゲットとなる一般大衆の気持ちを知ること。普通の人の感覚をいつも持ち続けてほしい。それが大事。ファンを増やすためには頭で考えた知識を伝えるのではなく、「心に響く本当の気持ち」を伝えること。心に伝えることを第一に考えてほしい。

矢野:ファン?ファンですか?「普通の人の感覚」…?「心に響く本当の気持ち」…?

大阪芸短生に知って欲しいこと

矢野:では、次で最後になりますが(…やさしく)お願いいたします。広告とは!広告が目指すものは、私にとって何なんでしょうか?

今村教授:広告を教えながら、トータルでは「人生」を知ってほしいと思っています。君たちはまだ、人生のスタートラインに立ったばかり。それぞれの人生はこれから長くて、いろんなことを経験していく。山あり谷あり、波乱万丈であるでしょう。つらいことも多いけど、面白いこともいっぱいある。その時、役に立ちそうなことを広告の話の中に、ポツポツと入れていきたいと思っています。

失敗を恐れるな。失敗した経験が、先々すごく役に立つ。何回もチャレンジして、失敗を増やせ。そこから成功が生まれる。

周りの人に「自分はどんな人間だと覚えて欲しいのか?」それが君の目標にすべきこと!なりたい自分になってやるという心を大事にしてほしいと思います。

矢野:なりたい自分になってやる…そう言い切っていいのでしょうか?卒業までに必ず、なりたい自分になります。がんばります!

私が、今村教授をインタビューした感想

今村教授のインタビューを通じて、座右の銘に挙げられていた樹木希林さんの「決して他人と比べるな」が心に刺さりました。私は小さい頃から自信がなく、周りの評価ばかりを気にして、自身を大切にできないからです。今村教授がおっしゃっていた広告を介して「心に響く本当の気持ち」を伝えることは、とても難しいし、勇気のいることだと思います。

何故なら「本当の気持ち」を伝えると、自分が傷つく恐れがあり、度胸が必要だからです。驚いたのは、一人の女の子の助言がきっかけで、博報堂に就職したというお話です。今村教授は、小さい頃から広告の仕事に就きたかったのだと思っていたので、心底驚きました。「自分をどんな人間と覚えて欲しいのか?」を考えるのは簡単だけど、今村教授のおっしゃるように理想に沿った目標を達成するのは、難しいことだと思います。このインタビューを企画したおかげで、自分自身と向き合うことの大切さに気付くことが出来ました。

改めて今村教授ありがとうございました。



インタビュー:大阪芸術大学短期大学部 メディア・芸術学科 矢野 峻至

制作・編集:大阪芸術大学短期大学部 メディア・芸術学科 春日 那由良

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