図書カードは誰の手に!?
書評・映画レビュー大賞

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大阪芸術大学短期大学部で開催された、書評・映画レビュー大賞。図書の部・映画の部の2部門があります。誰かに感動を伝えたい絵本を含めた、図書・映画作品のすべてから、800字以上のレビュー原稿を作成し応募します。
副賞で、大賞一名・一万円分・優秀賞二名・五千円分の図書カードが贈られます。第12回では、図書の部に62名から80点、映画の部に69名から84点の応募がありました。前回の開催は2019年で、2020年度はコロナ禍により開催が中止になりました。今回は、二人の受賞者にインタビューしました。

授賞式の様子

音楽・表現とはなにか。苦労して書き上げた書評。大賞を受賞!

映画の部で、大賞を受賞した大野紗波さん。選んだ映画は、橋本光二郎監督の「小さな恋のうた」。
MONGOL800の「小さな恋のうた」を基に製作されたこの作品。書評を書くにあたって選んだ理由は、夏休みに観た映画だったからだという。所属している軽音楽サークルが、文化祭で「小さな恋のうた」を演奏する。予備知識として映画を観ておこうかなという理由で、この映画と縁ができた。
書評を書くときに、ニュースで、芸術に関する不自由に関する問題を取り上げていたことが目に入った。ちょうど、この映画での音楽に対する抑圧などの背景が連想されたので、この映画を選んで書き始めた。一番苦労したのは、1200字の文字制限。どうしても文字数オーバーしてしまい、削るのに苦労したという。ついつい、あらすじを書きすぎてしまうようだ。悩んだことは、背景に沖縄問題があるなか、どこまで踏み込んでいいのかと、全体の文章構成だった。知識が少ない自分が扱っていい問題ではないと感じて、最後まで悩んだ。高校生の青春群像劇がメイン、背景では、現実的なテーマを描く物語の二面性が、全体の落としどころに悩んだ理由。

2021年 書評・映画レビュー大賞受賞者

図書の部・優秀賞受賞!多様な人物模様。和歌が現すものとは…

図書の部で優秀賞を受賞した中村圭佑さん。選んだ本は、新海誠監督の「言の葉の庭」。
原作が映画であるこの作品。書評を書くにあたって選んだ理由は、1話で完結している物語だったから。シリーズ物は書ききれないと思い、一番感動した短い物語を探したという。この物語は登場人物が多く、主要人物だけでも7・8人登場する。文字制限がある中で、いかに主人公をメインに据えつつ、他の主要人物たちを登場させるかに悩んだ。あらすじを短縮させつつ書きたいことを詰め込むことが大変だった。
物語は、章ごとに和歌が登場する。全部で8つの和歌が主軸に置かれている。だからこそ、書評にも和歌を書きたくて、物語の始まりに登場する和歌ではじめて、返歌の存在を示して締めくくる構成にした。あらすじなどを、短縮しすぎて文字数が足りないことに苦しんで、提出が期限ぎりぎりだったために、完成度に不安があったそうだ。副賞は、趣味に使いつつ、将来の夢に直結している本を購入するために使用するつもりとのこと。

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