京都にある幻のお店只本屋で
フリーペーパーと出会う
月末の土日だけ東大路五条にあらわれるフリーペーパーの専門店、只本屋。
その珍しさから一部では「幻のお店」と呼ばれているのだとか。大きなのれんをくぐって、私だけの一冊を見つけに行ってきました。
京阪清水五条駅から只本屋までの道のりはわくわくで、大きな道路を歩き路地にはいると、その路地には小川が流れていたり、京都を感じさせる住宅が並んでいたりします。一緒に訪問した同級生金志柔さんと「この雰囲気良いよね」と話しながら歩きました。路地の途中で地図がとぎれてしまいあっちかな、こっちかなと歩いているうちに目印ののれんが。入って一番の感想は少し古くてぼろい。でも、マイナスなイメージではなくて期待通りというか、雰囲気がすごく好きで、わくわくしました。
置かれているフリーペーパーには新しい発見をしてほしいというお店の気持ちからジャンルはなく様々なものが並んでいます。ゆっくりじっくり見て、自分のお気に入りの一冊を見つけたいな。
只本屋に行ってきました!
只本屋の始まりは、関西でフリーペーパーの文化を盛り上げたいという一日限定のイベントでした。そこから、一日では足らないという声が集まりのれんをだすことになった只本屋。始まった頃は、自分たちで連絡し、フリーペーパーを集めていましたが、今では向こうから只本屋に置いてほしいと連絡がくるほどに。
フリーペーパーはすべて無料。そこが本や漫画との違いですが、店長の森谷さんによると一番の違いは自由に作りたいという作り手の気持ちがダイレクトに届くこと。それを聞いてからもう一度店内のフリーペーパーを眺めなおすと、あれ?ホッチキスのとじ方が雑なものを発見!本屋さんではあじわえない作り手さんの個性と自由を感じることができて、何だか嬉し気持ちになりました。
只本屋ってこんなところです!
只本屋でも無料でフリーペーパーを持ち帰れますが、8冊以上になると月ごとにデザインが変わる紙袋を購入することになっています。8冊と制限されていたら、選ぶためにじっくり中身まで見ようという気持ちになりますよね。
お客さんに多いのは、やはり大学生、この日も学生らしきお客さんを数名見かけました。中には企業の広報を担当している会社員のお客さんもいるそうで、その目的はアイデア探し。確かに、ジャンルがたくさんあるから出版を学ぶ私もすごく勉強になります。
月末の土日2日間のみの営業で、一部では幻のお店と呼ばれている只本屋。ですが月末2日には深い理由はなく、スタッフである学生たちが遊ぶ時間を確保できるように、あとは片づけが少し面倒で、とお茶目な部分ものぞかせています。
天気は快晴。只本屋の裏口を出た雰囲気あるお庭で座談会が始まりました。
盛 : 今日はよろしくお願いします。
森谷: 丸岡 よろしくお願いします。
盛 : さっそくですが、スタッフになったきっかけをおしえてください。
森谷:2年前、先輩のかわりに行ったSFFのイベントではじめて只本屋を知って、お話ししているうちにおもしろいことしてはるな~と思ったのがきっかけです。そこからスタッフの人数が減ってしまうということあって私が立候補しました。
丸岡: 僕はもともと大学で作っていたフリーペーパーを只本屋に持ってきていたので、顔見知りだったんです。そこから誘っていただいて、でも最初は怖かったです。
森谷: え、なんで?
丸岡: デザインを専門的にやっている人たちの世界に入って大丈夫なのかなって、不安だったんですよ、でも新しい世界をのぞいてみようかなと思ってスタッフになることを決意しました。
盛 : なるほど、只本屋の最初の印象ってどんな感じでしたか?
森谷: ん~なんだっただろう。やばいなって(笑)すっごいおもしろいことしてるなって思いました。
丸岡: 確かにやばい。自分たちで作っているフリーペーパーとは違ってここにいる人たちは本物だなって思いました。
盛 : スタッフとしてお店に立っていてやりがいってありますか?
森谷: お客さんにおすすめしたりしてリアクションをみるのは好きですね。「こんなんあるんや~!」って結構良いリアクションいただいてます。あとは人との出会いですね。色んな人が来てくださるので。
丸岡: そうそう。僕も人との出会いです。何回も来てくださる人もいて、印象に残っているのが台湾の留学生。国に帰ってしまうときも挨拶に来てくれたんです。
森谷: え、そうなんだ!知らなかった!
丸岡: 僕しかいなかったんで、あれは嬉しかったな~。
盛 : その方はどうやって只本屋をしったんですかね。
森谷: フリーペーパーっていう文化がなかったらしくて、ただで持って帰れるのがおもしろくて寄ってきてくれる方が多いですけどね。
盛 : そうなんですね、出会いって素敵です。たくさんの人が来てくれるということは、気をつけていることとかもあるですか?
森谷: なるべくお客さんに話しかけるようにしています!自分から話しかけることに抵抗がある人もいると思うので、こっちから声をかけて色々聞き出せたらなって。やっぱり楽しくやるのが一番だよね
丸岡: です!あと掃除も頑張ってるよね、建物が古いからほこりがすごいので本がだめにならないようにこまめにはたいています。
盛 : お二人はすごく仲良さそうですけど実際スタッフさん同士の仲って、、、
森谷: 仲良いですよ!今日も開店前に丸岡君と寄り道してきました。
丸岡: だね、イベントに一緒に行ったり仲は良いです。
盛 : 仲良しですね。もし、フリーペーパーを作るとしたらどんなものを作りたいですか?
森谷: 作るなら、、、トイレかな。
盛、丸岡: トイレ!?
森谷:トイレの綺麗さとか、広さとか見るのが好きで、そうゆうことを紹介するフリーペーパーを作ってみたいです。
丸岡: 僕もマニアックなところで、苔かな。学校で研究しているので。
盛 : お二人ともマニアックでおもしろそう。最後に、フリーペーパーの良さってどんなところですか?
丸岡: やっぱり本や雑誌だったら最初から興味があるものを選ぶけど、フリーペーパーだったら無料だし、新しい発見があったり、0が1になるものかなって。
森谷: だよね。新しいものに出会えるよね。
盛 : お二人のお話を聞いているうちにもっとフリーペーパーを知っていきたいと思いました。ありがとうございました。
森谷、丸岡: ありがとうございました。また遊びに来てください。